HIDABITO.jp

主人自ら仕入れに出かけ
地の素材をふんだんに使った
歴史ある懐石料理

HIDABITO 016
萬代
橋本 猛氏

取材
社名:
萬代
住所:
岐阜県高山市花川町 18
電話:
0577-32-0130

実は魚の仕入れにもこだわりがあるという。橋本さん自らが出向くことで、その日1番の魚を狙う。この日も太平洋側から型のいい鱧が入ったそうだ。

食材の話を聞いていたら居ても立ってもいられなくなり、特別にお願いしてちょうど仕込み時間で慌ただしさを帯び始めた板場に入らせてもらった。

この日の懐石には和のテイストを取り入れたローストビーフが並ぶということで、その仕込みを拝見する。サシの入った飛騨牛のローストビーフは、そのピンク色の断面がなんとも美しい。先程まで笑顔で取材に応じてくれた橋本さんの目に真剣さが増し、無駄な時間をかけることなく、一皿を仕上げた。

HIDABITO2016夏_萬代16_3

「でも、まだまだなんですよね。吉兆さんで学ばせてもらったことっていうのは色々とあるんですが、その料理の持つ特別な『色』って言えばええかな。職人はそういうものに憧れるんですが、あそこの『色』はやっぱり特別ですわ。近づけたい、追いつきたいと思いながら、毎日やっているんです」

職人の視線でまな板に集中していた橋本さんに、この土地でこれからやってみたいことを聞いてみた。

「それはやはり継いだお店をちゃんと回して、次に繋げることですね。今息子が京都に修行に出て4年になるんですが、ちゃんと戻ってきたら父親がそうしてくれたように、私も色々任せていきたいと思っているんです」

同じ土地で同じ仕事が、でも少しずつ世代によって変化しながら引き継がれていくということの、美しさ。職人の町である飛騨高山では、様々な分野でこんなドラマが展開されているのだろう。橋本さんに仕事の喜びについてうかがった時「それは、ただ、美味しいって言ってもらえる時。それだけですよ」と、そっと答えてくれた一言が、胸に染みた。

HIDABITO2016夏_萬代16_4
取材
社名:
萬代
住所:
岐阜県高山市花川町 18
電話:
0577-32-0130