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段違いの香りは
半径5キロ圏内で栽培
海外評価も高い飛騨山椒

HIDABITO 011
有限会社飛騨山椒
内藤 一彦氏

取材
社名:
有限会社 飛騨山椒
住所:
岐阜県高山市奥飛騨温泉郷村上35番地1
電話:
0578-89-2412

「そうなんですよ。実は山椒はミカン科で、香り高いものは柑橘類のような味と香りを持っているんです。うちではこの地域のそんな山椒の特徴を活かして、山椒粉や山椒七味はもちろん、ちりめん山椒、山椒醤油、山椒味噌などの加工品もつくっています」

香りと味の違いは確かなもの。では何が他と異なるのかと言えば、製造工程にも工夫がこらされていた。7月~8月にかけて収穫された山椒を、まずは陰干し。そしてその後天日干しにするのだが、まずここに時間をかける。乾燥機にかけることもできるが、色がよくなる反面、独特の香りが飛んでしまうからだ。

乾燥させた山椒は、種と皮を丁寧に分け、皮のみを杵と石臼で「つく」。挽いてしまうと発生する摩擦熱でせっかくの香りが逃げてしまう。効率は落ちてもつくことで、香り高い山椒に仕上がっていくのだ。

「丁寧に作業するのも、ここでしか採れない山椒だから。色々な説があるんですが、私はやっぱり気候の影響が大きいと思いますね。この土地の山椒を他の場所に植え替えても、同じ味にはならないと言われていて。だからこそ少量でもいいものをつくれば、勝負ができるんですよ」

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しかし、胡椒や七味などの香辛料と比べると、用途が限られてきてしまうのが山椒だろう。鰻などの一般的な物以外には、どんなものに合うのだろうか。

「みなさん鰻のイメージに縛られていますが、合うものは多いんですよ。特に合うのはチーズ。さっとかけると旨味が引き立ちます。乳製品やクリーミーなものは大体ぴったり。ピザやコーンスープ、ポテトチップス。意外なところだと、とんこつラーメンもいいですね。スパイスとして生地に入れて、ケーキにするもの悪くない」

甘味というと意外だが、実際に山椒粉をたっぷりとかけたソフトクリームなども近隣の売店では販売しており、取材後にいただいたそれは、やみつきになりそうな後味だった。

近年ではミラノ万博や、JETROパリの展示会にも参加した内藤さん。海外でも確かな手応えを掴んだようだ。

「特にヨーロッパの人は『香りに飛びつく』というか、とてもいい反響をいただきました。イタリア語で問い合わせのメールが来た時は、うれしい反面、どうお返事すればいいかわからなくって(笑)。でも海外での認知はもっと増やしていきたいです」

そう語る内藤さんの話を聞きながらも、どうしても頭の片隅では何を買って帰ろうか考えてしまう。日持ちもすれば、そんなにかさばらず、加工品も含めればバリエーションも豊富なのが飛騨山椒。何品も買うことができるので、おみやげに最適としか思えない。春の奥飛騨で、なんとも罪作りな名品に出会ってしまった。

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取材
社名:
有限会社 飛騨山椒
住所:
岐阜県高山市奥飛騨温泉郷村上35番地1
電話:
0578-89-2412