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奥飛騨の温泉熱が生んだ奇跡
完熟ドラゴンフルーツで目指すは
地域の新たな価値創造

HIDABITO 010
FURUSIC代表取締役
渡辺 祥二氏

取材
社名:
有限会社FRUSIC
住所:
岐阜県高山市奥飛騨温泉郷栃尾952
電話:
0574-25-7183
「当時はまだジュースくらいしかなかったから、最初はアセロラをつくろうと思ってフロリダに苗の買い付けに行ったんです。そうしたら、ハリケーンで予定していた農園のアセロラが全滅。そこで勧められたのがドラゴンフルーツだったんです。でも僕も美味しいものを食べたことがなかったから、怪訝な顔をしていたんだろうね。勧められるままに一口食べて衝撃を受け、これをつくろうと思ったんです」

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渡辺さんは飛騨高山の南に位置する、美濃加茂市のご出身。高校3年時に留学をし、帰国し大学で法律を学んだ。建設業で働きつつも、元来の旅好きが高じて様々な国に出かけたという。しかし地方での建設業というのは、公共事業関連の仕事がなくなれば、苦しくなる。そこで農業と観光をリンクさせた事業を目指し、独立した。

「本当に大変でした。もともとノウハウがあったわけでもなく、当時は娘が生まれたばかり。堅実な道が頭をよぎらなかったわけじゃないけど、自分の子どもに『夢を持て』と父親として言うためにも、この道で食べていこうと決めたんです」

当時は国内でも珍しかったドラゴンフルーツ。確固たる栽培例もなく、文字通り試行錯誤を続けた。1番始めは美濃加茂市のハウスで栽培してみたが、どうしてもうまく育たない。ドラゴンフルーツにとって適切な環境とは何か。研究を重ねてやっとたどり着いたのが、ここ奥飛騨の地だった。

「意外かもしれませんが、ここの日照量は南九州並み。加えて昼夜の寒暖差が、おいしいドラゴンフルーツを育てるんです。もちろんその性質を活かすために、温度管理には本当に気を遣うんですけどね」

美味しさだけでなく、目で楽しめるのもこちらの特徴。フロリダのディズニーワールド内の菜園からヒントを得た「魅せる農業」は、ハウスの見学はもちろん、一夜しか咲かない花の観測、種類別ドラゴンフルーツの食べ比べなど、楽しみながらその魅力を味わうことができる。しかし渡辺さんの夢は、ドラゴンフルーツだけにとどまらない。

「僕が目指しているのは農業を通した、新しい価値の創造なんです。だからこのハウスは、研究所のようなもの。研究を続けて人材を育てるためにも、ドラゴンフルーツを売って研究費を稼がなくちゃね!」

他にもヤギを活用した農地の除草プロジェクトや、大学との共同研究、海外での事業展開など、熱を込めて話す渡辺さんの勢いは、海のない奥飛騨の地ながら、新しい時代に船を漕ぎだす起業家のそれだった。

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取材
社名:
有限会社FRUSIC
住所:
岐阜県高山市奥飛騨温泉郷栃尾952
電話:
0574-25-7183